御推薦(伊福部家より)
ホームページ開設をお祝いします
父・伊福部昭が亡くなって早2年と言う月日が経過しました。この間に半世紀以上も当家と家族同然のように過ごして下さり、実情を熟知しておられる古弟子会代表の今井重幸さん、父から見ると孫弟子にあたる方々、父の仕事仲間の方々、さらには親戚、多くの友人達が「これは、文化であるから残さなくてはいけない」と言う事で、父の楽曲の保存、発展を願う行動を起こし始めて下さいました。
このご好意に呼応するように父のことを、恰も自分の「おじいちゃん」のように子供の頃から本当に慕って下さっていた羽田直人さん。故人となられた古弟子会の池野成さんの最後の子分であり、これまた少年の頃から当家にも遊びに来て下さっていた出口寛泰さんのお二人が、情報の発信と言う趣旨で、ホームページ開設の準備を進めて下さり今日に至りました。このお二人は、お仕事こそ、音楽関係では全くありませんが、伊福部一門の音楽に関する造詣の深さ、研究心は音楽界の長老と言われる今井重幸さんが呆れることもある程です。当然のこと、私どもは、このお二人を大変に信頼しており、このホームページ開設という活動を全面的に支持し、心から歓迎し、感謝するものであります。
1997年に当家におけるほぼ半世紀続いた恒例の「正月の集まり」が、黛敏郎さんの逝去に伴いこの年を最後に終わりとなりました。この集まりは、自由闊達な、とても幅の広い会話の場でもあり今も師走になると当家では一つの語り種になっているほどです。これと、同じように、当家のお茶の間から言わば自然発生的に開設に至ったホームページでもありますので、心豊かな楽しい方々に一人でも多く訪れていただけることを願って止みません。
このホームページにおいて、羽田さん、出口さんのお二人は伊福部昭一門と言われる方々をも含めた広い情報の収集、発信をも目指しておられるようで、当家縁の大変に懐かしいお名前も登場とのことで非常に楽しみにいたしております。もし、私どもでお手伝いできる事がございましたら是非ご協力させて頂きたく思っております。最後に羽田直人さんの友人で、このホームページ開設に大変なご尽力を頂いた大見謝勇紀さんにこの場をお借りして心から感謝申し上げさせていただきます。
伊福部昭長男 伊福部極
御推薦(古弟子会代表 今井重幸先生より)
羽田君、出口君の活動を推薦します
この度ご両名から、主に伊福部昭を紹介するホームページを開設し、更にはその場で、多くを知られてはいない伊福部一門作曲家の作品、人となりの紹介、演奏までをも目指すとのこと、私は大変に興味深い活動と注目し、強力に支持し、大いに期待する一人であります。
ご両名が尾山台の伊福部先生宅にて、冷蔵庫にビールを入れ、埃にまみれて先生の後片付けのお手伝いをしている姿を見るにつけ、我々いわゆる、古弟子と言われる作曲を目指していた仲間が、半世紀以上昔に、健在であったアイ夫人のお手製のお料理で、深夜まで先生と共に多くのことを語り合った日々の事を昨日のことのように思い出しました。しかも、皆若く元気であった頃と同じ場所での事でした。
ご両名は音楽を、生業にはしておりませんが、その知識、研究熱心さは、私のように長く音楽界に所属していた者からみても、驚かされる事が多々あります。さらに、新しい発想、若い行動力をも持ち備えておりこれからの活動に注目し、目を離せないとも思っております。
伊福部先生が亡くなられたあと、言うなれば曾孫弟子に当たる年齢の方々が、先生を慕い尾山台に集い、我々古弟子達が半世紀以上も前にしていたように、その志が継承されている事にある種の喜びを感じ、出来る限りの、応援やご相談には是非とも乗りたいと思っております。
我々音楽界に属するものが構想している仮称・伊福部昭音楽協会と、お互いの得意分野を補完しながら伊福部一門音楽に発展寄与することを願うと共に、正統のホームページであると推薦申し上げる次第です。
伊福部昭古弟子会代表/作曲家 今井重幸